「ひま」
「何かして遊びたい」
子どもからそう言われたとき、何か遊びを用意したほうがよいのかな、と迷うことはありませんか。
忙しい時間なら、なおさらです。何か提案すればよいのか、動画やゲームに任せてもよいのか、それとも一緒に遊ぶべきなのか。
今回は、何もしない時間を無理に埋めず、子どもの様子を見ながら過ごすための小さな工夫について考えてみます。
「ひま」の中にある、いろいろな気持ち
「ひま」と言うとき、子どもが求めているものは一つとは限りません。
何をして遊ぼうか迷っているのかもしれません。
大人と少し一緒に過ごしたいのかもしれません。
疲れていて、いつもの遊びを始める気分になれない日もあるでしょう。
だからこそ、すぐに遊びを決めなくても大丈夫です。
まずは、
「そうなんだね」
「何をしたい気分かな」
と、短く受け取ってみます。
子どもがすぐに答えられなくてもかまいません。言葉にしながら、自分の気持ちを探していることもあるからです。
少し待ってみる時間をつくる
大人が遊びを提案しないでいると、子どもが何をするか分からず、少し落ち着かないこともあります。
そんなときは、何かを急いで始めさせるよりも、少しだけ待ってみます。
窓の外を眺める。
机の上の紙に、ふと絵を描き始める。
積み木や布を手に取る。
身近にあるものを並べて、いつの間にか遊びが始まる。
もちろん、いつも自然に遊び始めるとは限りません。それでも、すぐに答えを渡さずにいる時間があってもよい。
大人は近くで洗濯物をたたんだり、お茶を入れたりしながら、子どもの様子を見守ります。何か特別なことをする必要はありません。
遊びを始めやすい、家の中の小さな環境
子どもが自分で何かを始めたいと思ったとき、手に取りやすいものが少しあると便利です。
たとえば、
- 紙と色鉛筆を取り出しやすい場所に置く
- 小さな布やひも、積み木などを決まったかごに入れておく
- 絵本を数冊、手の届くところに置いておく
たくさんのおもちゃや材料をそろえる必要はありません。
今あるものの中から、子どもが自分で選べるものが少しあるだけで十分です。出したものを必ず遊びに使わなくても、眺めたり、並べ替えたりする時間もあるでしょう。
「一緒にいてほしい」気持ちが見えるとき
「ひま」という言葉の奥に、大人と一緒に過ごしたい気持ちが見える日もあります。
そんなときは、長く遊ぶ時間が取れなくても、小さく一緒にできることを探してみます。
「今から洗濯物をたたむけれど、一緒にする?」
「お茶を入れる間、そばにいてくれる?」
「10分だけなら、外を歩いてみようか」
子どもが断ることもあります。それでも、「一緒にいたいのかな」と受け取ってもらえたことが、子どもにとってうれしい場合もあるでしょう。
手伝いを遊びの代わりに押しつけるのではなく、その日の親子に合う過ごし方の一つとして、そっと差し出せたらよいですね。
忙しくて応えられない日もあります
食事の準備中や、出かける前など、すぐに話を聞いたり一緒に過ごしたりできない日もあります。
そんなときは、
「今は手が離せないから、終わったら話を聞かせてね」
「今日は一緒に遊ぶ時間は取れないけれど、夕食のあとに本を一冊読もうか」
と、できる範囲を正直に伝えてみます。
約束した時間を必ず作らなければ、と自分を追い込む必要はありません。予定どおりにいかない日もあります。
後から思い出したときに、「さっきは何をしたかったの?」と声をかけるだけでもよいのです。
すぐに答えを出す日も、待ってみる日も
子どもが退屈そうにしているとき、すぐに提案することが悪いわけではありません。
一緒に遊びたい日もあります。外へ出たほうが気分が変わる日もあります。
大切なのは、「ひま」という言葉のたびに、親が何かを用意しなければならないと感じすぎないことです。
すぐに答えを出す日もある。
少し待ってみる日もある。
その日の子どもの様子と、家庭の暮らしに合わせて選んでいけたら十分です。
「ひま」という言葉のあとにあるを、急がず見守れる日があってもよさそうです。
