レッスン内容

 

レッスン時間

1回のレッスン時間は90分です。子どもには長いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはあっという間です。 「もう終わり?」と聞いてくる子どももたくさんいます。 学校の授業は45分なのに、どうしてあっという間に感じるのか。それは、レッスン全体がひとつの流れとして組み立てられているからです。 実際にレッスンを見学したり体験された方がよく言われるのは、「流れるような授業」という表現です。メリハリよく組み立てられたレッスンで「からだ」と「こころ」と「あたま」の3つをバランスよく使うため、呼吸をするように無理なく自然にレッスンを受けることができます。

3つの時間

レッスンは3つの時間からできています。 「からだ」を使って学ぶ『リズムの時間』、「こころ」と「あたま」を温かくつなげていく『書く時間』、そして子ども達が楽しみにしている『お話の時間』です。 それぞれにねらいがあり、その時間でしかできないことがあります。

リズムの時間

リズミカルに体を動かすことで、全身の感覚を育てたり体幹などをしっかりと形成していきます。かけ算の九九や分数など頭だけでは理解しにくい概念も、体を使った遊びを通してなら楽しく身につきます。イメージ豊かなファンタジーを取り入れた遊びは子どもたちを夢中にし、主体的に行動する力を育てます。

書く時間

ノートに絵や文章を書く時間です。公立学校の授業に比較的近い活動ですが、知識の一方的な伝達ではないところに価値があります。子どもたちは学習内容をモチーフにした物語を聞き、そのイメージを色彩豊かな絵にします。頭だけではなく心をたっぷり使うことで、思考と感情が温かくつながります。

お話の時間

絵本などを使わずに、先生が素語りします。子どもたちは想像力でイメージを膨らませていきます。提示されないものを自ら生み出すその想像力は、大人になった時の思考力につながるといわれています。素話が初めての子どもたちも回を重ねるごとに想像する力が豊かになり、お話の世界に夢中になっていきます。

公立学校とのつながり

 

この教室ではシュタイナー教育の国語・算数・理科・社会といった主要教科を取り上げ、公立学校の学習内容ともすり合わせながら授業を作ります。そして、シュタイナー教育ならではの視点で子どもの力を育てていきます。

例えば、1年生の算数では数の質を学びます。 数の質とは、「1・2・3…」といった数字が持っている個性のようなものです。 シュタイナー学校ではこんなふうに教えます。

「1」は世界にたったひとつのもの。すべてが生まれてくる原点。 → お日様 地球 私という存在 などなど

「2」は対になっているもの。2つあることでバランスを保っているもの。 → 昼と夜 人間の手足 などなど

こんなふうに数字が持っている個性をイメージして、それを絵にすることで数字に対する感情を豊かにします。数字と友だちになるような感覚でしょうか。

この学びは、その後の計算や九九をする時にも良い効果がでてきます。イメージを通して数字と親しんでいるので、友だちと遊ぶような感覚で計算にも取り組めると思います。

公立学校では習わない「数の質」ですが、これをやっておくことは子どもにとって大きな財産になるかもしれません。数字と友だちになれる年齢は小さい時だけですし、「あたま」だけではなく「こころ」を伴った体験は大きくなってからもその人の中で形を変えて生きつづけます。

他の教科でも、「あたま」だけではなく「からだ」や「こころ」で体験できるようにカリキュラムが作られています。「からだ」や「こころ」を通して得たものはしっかりと自分のものになります。数字だけではなく、文字や動物や歴史が自分にとってどういうものであるのか。その子と一緒に成長していくような学びを作れたらと思います。

いつもの学校だけが学校じゃない。競争や点数や勝ち負けじゃない勉強もある。そう感じてもらえたらうれしいです。