子どもに同じ言葉を繰り返されてイライラすること、ありますよね。あれは挑発ではなく、安心したいからこその行動かもしれません。
対処法としては、まず親が落ち着くこと、そのための具体的なステップを紹介します。
なぜ子どもは親を「試す」ような言動をするのか
子どもが同じ言動を繰り返すのは、恐怖や不安を取り去ろうとする自然な反応です。出来事の意味が腑に落ちず心がざわついている時、子どもはその感覚を確認したくて、同じ刺激を繰り返してしまいます。これは「挑発」ではなく、自分の世界を安心できるものにするための行為です。
たとえば、急な大声や知らない人の出現などで驚くと、安心できるまで、その話を反復することがあります。子どもは「大丈夫か」を確かめているのです。
親がまずやるべきこと 深呼吸して「落ち着く」
子どもにやり返してしまう前に、親が自分を落ち着けることが最優先です。深呼吸は即効性があり、身体の緊張を和らげ、感情の暴発を防ぎます。
- その場でゆっくりと3回深呼吸する(鼻から吸って、口から長く吐く)
- 肩の力を抜き、声のトーンを意識して一段下げる
- 短いフレーズを心の中で繰り返す 「大丈夫、落ち着いてる」など
親が落ち着くと、子どももそれを感じ取ります。これだけで、その場の雰囲気が変わることが多いです。
具体的な対処法
- 受け止める一言
まずは子どもの感情を言葉で受け止める。「びっくりしたね」「こわかったね」と今の感覚を名前にして返す。 - 身体に働きかける
コップ一杯の水を渡す、背中に手を当てる、抱きしめるなど、頭よりも体に働きかけて落ち着かせる。 - 安全の再確認
「ここは安全だよ」「ママ(パパ)はそばにいるよ」という短い安心メッセージを繰り返す。 - 小さな行動で切り替える
一緒に手を洗う、窓を一緒に開けるなど、簡単な動作に誘導すると気持ちが切り替わりやすい。 - 後から静かに整理する
落ち着いて余裕があるときに、「さっきどう感じた?」と優しく振り返る習慣を作る。
日常に取り入れる「予防の習慣」
子どもの癇癪や繰り返し行動を完全に防ぐことはできませんが、日常的に以下を意識すると早めに落ち着ける力が育ちます。
- 穏やかなルーティンを作る(食事・睡眠・遊びのペース)
- 体を使った安定した時間(散歩・手作業)を増やす
- 感情を言葉にする練習(「さみしい」「不安」などを日常会話で表現)
まとめ まずは親が深呼吸を一つ
子どもが繰り返す行動は「挑発」ではなく、安心を確かめる小さな行為であることが多いです。親がまず落ち着き、体を使った安心の提供をすることで、子どもの心は自然に整っていきます。
深呼吸ひとつで、その日の親子のやりとりがやさしく変わることを、ぜひ試してみてください。
