「子どもを尊重することが大事」とよく聞くけれど、実際にはどんなふうに尊重すればいいのか分からない。 今回は、子どもの成長段階に応じて「何を尊重するべきか」を3つのステップで分かりやすくお伝えします。
7歳まで 体を尊重する時期
7歳ごろまでの子どもは、体を通して世界を学びます。 この時期の「尊重」とは、子どもが体を思いきり使えるように見守ること。
たとえば、思う存分走ったり、泥んこになって遊んだりすることを止めずに、 「体を使って感じる自由」を保障してあげることが大切です。
親が導くのは「どこで何をするか」といった環境の部分でOK。 判断や決定を子どもに委ねるより、安心して体験できる場をつくってあげましょう。
9歳ごろ 感情を尊重する時期
9歳前後になると、子どもは「自分」という感覚を持ちはじめます。 この時期は、感情がぐっと豊かになり、喜びや悲しみ、怒りや不安といった気持ちを強く感じます。
親としてできることは、子どもの感情を否定せずに受けとめること。
「そんなふうに感じたんだね」「悲しかったね」と共感して言葉を返すだけで、 子どもは安心し、自分の感情を信じる力を育てていきます。
この「共感のやりとり」こそ、心を尊重する大切なステップです。
12歳ごろから 思考を尊重する時期
12歳をすぎると、思春期の入り口に立ち、自分の考えを持ち始めます。
この時期の「尊重」とは、子どもの考えを頭ごなしに否定せず、 「なるほど、そう考えたんだね」と受けとめる姿勢を持つこと。 親の意見も伝えながら、対話を重ねていくことで、 子どもは「自分で考えていいんだ」という自信を育てていきます。
年齢によって「尊重」は変わる
尊重とは「何でも子どもの好きにさせる」ことではありません。
3歳の子に思考の自由を求めても難しいように、尊重にも段階があります。 成長に合わせて「体 → 感情 → 思考」と尊重するポイントが移り変わっていくのです。
この視点を持つだけで、子育てがぐっと楽になり、 親も「今、この子に必要なこと」を自然に感じ取れるようになります。
まとめ 尊重とは、成長のリズムを見守ること
子どもを尊重するとは、年齢に応じた「その子らしさ」を信じて見守ること。 体を尊重する時期には動きを、感情を尊重する時期には共感を、 思考を尊重する時期には対話を。
子どもの内なる成長のリズムに寄り添うことが、 本当の意味での「尊重」につながっていきます。
