イマジナリーフレンドは成長の証? 子どもの空想の世界を大切にする子育てのコツ

幻想的な雰囲気の中に佇む四つ脚の動物の彫刻。子どもの想像の世界を象徴するイメージ。

「〇〇ちゃんと昨日も遊んだよ」
それ、誰?と思ったら、どうやら“空想上のお友達”らしい。
親としては少し戸惑ってしまう場面ですが、実はこの空想の世界には、子どもが自分を育てていくための大切な意味が詰まっているのです。
この記事では、イマジナリーフレンド(想像上の友達)を受け入れることの大切さと、日常でできる関わり方のヒントをお伝えします。

空想上のお友達は、心の中の「自分」かもしれない

5歳から10歳ごろまでの子どもに多く見られるイマジナリーフレンド。
ある調査では、3人に2人の子どもが空想の友達を持っていたという結果もあります。
実はその存在には、子ども自身の「内なる気持ち」が投影されていることがあるのです。

たとえば…

  • 「怖がり」な自分
  • 「失敗してしまうかもしれない」不安な気持ち
  • 「怠けたい」という甘え

こうした未熟で愛おしい心のかけらが、想像上のお友達という形になって現れることがあるのです。

「嘘ついてる?」と心配になる前に、空想を受け止めよう

ある日突然、「○○ちゃんがお皿を割っちゃった」と言われたら、「また嘘をついて」と叱りたくなるかもしれません。
でも少しだけ立ち止まってみてください。
それは、自分の失敗を『別の誰か』に引き受けてもらいたい気持ちのあらわれかもしれません。

そんな時は、「○○ちゃんも時々ドジなんだね」と笑って受け止めてみてください。
そのやりとりを通して、子どもは自分の弱さを認めながらも、安心して前に進む力を育んでいきます。

ぬいぐるみのように、そっと見守る関わり方

イマジナリーフレンドは、子どもが心を成長させるための「仲間」のような存在です。
だからこそ、大人が頭ごなしに否定するのではなく、ぬいぐるみや人形と同じようにそっと受け入れてあげることが大切です。

そして時には、

「○○ちゃんが怖がっているなら、あなたが勇気を分けてあげてね」

そんなふうに声をかけてみてください。
空想上の友達との関係を通じて、子どもは自分の中の感情を整理し、育てていきます。

まとめ

空想の友達は、子どもの心の奥にある「まだ名づけられていない想い」のあらわれです。
それを否定せず、そっと寄り添いながら見守ることで、子どもは自然と『自分自身』へと統合していきます。

10歳ごろには多くの子どもが自然とその友達と別れを告げ、自立の一歩を踏み出します。
大切なのは、今だけの空想の世界を、あたたかく受け入れること。
それが、子どもの心を育てるいちばんの近道になるのです。

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