AIや翻訳アプリが発達した今、「どうして子どもに外国語を習わせる必要があるの?」と思ったことはありませんか?
シュタイナー教育では、外国語は「共感力」を育てるための大切な手段と考えられています。
この記事では、その理由や、ご家庭でもできる具体的な方法についてお伝えします。
シュタイナー教育では、なぜ1年生から外国語を学ぶの?
多くのシュタイナー学校では、1年生から英語ともう1つの外国語を学び始めます。
これは「将来の受験のため」や「ビジネススキルの一環」というよりも、他者への共感を育てることを目的としています。
異なる言語を耳にし、発音してみることを通じて、子どもは自然と「自分とは違う世界」を感じるようになります。
意味がわからなくても、そのことばで笑ったり泣いたりしている人たちがいる。
そんな小さな気づきが、子どもの“こころの幅”を育てていくのです。
家庭でできる「外国語=共感の体験」
日常の中でも、共感の力を育む体験は可能です。
たとえば次のような工夫があります。
- 外国の料理を親子でつくってみる
スパイスや食材の違いに触れ、「この国ではこうやって食べるんだね」と話してみる。 - 外国のおもちゃや絵本で遊ぶ
「はらぺこあおむし」など、英語版の絵本を見ながら「アメリカの子どもたちも、このページで笑ってるかもね」と声をかける。 - その国の音楽やことばを一緒に楽しむ
リズムや音の違いを一緒に感じながら、「ちょっと変わってて面白いね」と話す。
大切なのは、ことばの“意味”を覚えることではなく、その向こうにいる“人”を想像すること。
そんなふうに、ことばを通じて誰かを思う時間が、子どもの共感力の土台をつくります。
翻訳できない大切なものを、ことばとともに
AIや翻訳ツールがどれほど便利になっても、「他者の心に寄り添う力」は人間にしか育てられません。
ことばは、心をつなぐ魔法のようなもの。
だからこそ、子どもたちには“翻訳できない大切なもの”を、言語体験を通して受け取ってほしいと思います。