「学び」と聞くと、多くの方が教科書を使った勉強や机に向かって行う学習を思い浮かべるのではないでしょうか。でも、子どもにとっての本来の学び方は少し違います。それは「体験」から始まるんです。
今回は、シュタイナー教育で実践されている体験を通じた学びの魅力と、それを家庭でも活かせる方法についてお話しします。
1. 子どもの学びは下から上へ
子どもが新しいことを学ぶプロセスは、大人とは違います。シュタイナー教育では、「体験（体）→感じる（心）→知る（頭）」という流れが重視されています。
たとえば、「重さ」という概念を学ぶとき、ただ「1キログラム＝1,000グラム」と教えるのではなく、まず体で感じることから始めます。具体的には、土を使って1キログラムの重りを作り、それを100個集めて運んだり引っ張ったりする活動を通して、「重さ」の感覚を体験します。このようにして、重さという抽象的な概念が、子どもの心に感覚として深く刻まれるのです。
2. 家庭でできる体験学習のアイデア
シュタイナー教育の特別な環境がなくても、家庭で五感を使った学びを実践することは可能です。日常生活の中で、子どもの「やってみたい！」という気持ちを大切にしてみましょう。
- 自然散策を楽しむ
お散歩中に気になるお花を見つけたら、まずはじっくり観察。- 葉っぱはどんな手触り？ザラザラしている？それともツルツル？
- 花の香りは甘い？それとも爽やか？
- 種を振ってみると、カラカラ音が鳴るかな？
- 料理で感覚を育む
一緒にパンやお菓子を作るとき、生地の手触りを感じたり、焼き上がる匂いを楽しんだり。材料が変化する様子を観察するのも学びの一環です。 - 手を動かす活動を増やす
粘土や折り紙で何かを作ったり、簡単な工作をしたりすることで、物の形や動きを体験的に理解できます。
3. なぜ体験からの学びが大切なのか？
大人の学びは頭で考えることが中心ですが、子どもは違います。体を動かし、五感を使って感じたことを心に蓄え、それがやがて知識へと変わるのです。
たとえば、「重さ」や「長さ」などの概念も、頭で覚えるだけではなく、体験を通じて理解することでより深く記憶に残ります。このプロセスが、子どもたちの創造性や感性を育む基盤になります。
4. 子ども時代にしかできない学びを大切に
子どもには子どもにしかできない学びがあります。それは、頭で覚えるよりも体で感じ、心で動かす力。忙しい日々の中で、「まずはやってみよう」と背中を押してあげるだけで、子どもたちの学びの世界はどんどん広がっていきます。
最後に
今日から「まずやってみる」を大切にしてみませんか？
自然と触れ合い、五感を使って体験することが、子どもの成長にとってどれほど大切かを感じられるはずですよ。
