シュタイナー教育、低学年レッスン。
直線だけで描くクモの巣。
お絵描き? と思いきや、
これもれっきとした教科です。
フォルメンとかフォルメン線描と呼ばれます。
シュタイナー教育独自の教科ですが、
国語や算数と同じ主要教科。
小学4年生ぐらいまで、
カリキュラムに組み込まれています。
このフォルメン。
楽しいだけじゃなくって、
文字や数字の練習にもなる。
でも、練習だけじゃない。
世界に対する目が開きます。
まっすぐの線や曲がった線。
ふだんから目にしてるはずなのに、
いつもは気にしてない。
だからこそ。
こんなふうに一つひとつ、
自分の手と心で描いていく。
まるで、クモになったみたいに。
レッスンが終わり、
子どもたちとバイバイ。
ところが、一人の子がすぐに戻ってきました。
「先生!」
「どうしたの?」
その子は手をバタバタさせて言います。
「あった! そこの生垣にクモの巣。
あのね、虹色に光ってた」
心いっぱいワクワクして、
じんわり感じるから。
子どもの目は、
ますます美しく澄んでいきます。