シュタイナー教育、ひらがなの学習。
『お』の文字。
じっと目を凝らすと、
絵の中に『お』の文字が見えてくる。
でもだからって、
文字を覚えるのがいちばんじゃない。
『お』が持つ質を味わうこと。
それを大事にする。
だって、
『あ』と『お』で受ける感覚が違う。
『え』と『お』でもやっぱり違う。
『お』ってどんな感覚?
この絵だったら、
王子の冒険から始まる。
はじめてお城の外に出かけた王子、
野原で羽を痛めた小鳥に出会う。
どうやら、困っているらしい。
今夜嵐がやってくる。
小鳥は羽を痛めているので、
飛んで逃げることができない。
じゃあ、と王子は自分の腕で覆う。
「きみを守るよ」
そう言って、夜の間ずっと小鳥を覆ってあげる。
母音に込められた感情。
まるで、文字と友達になるみたい。
そっと心で感じとる。
知識にはならない感覚。
言葉では言えない体験。
だからこそ、
心に残り人を育てる。