重さは、心が知っている。

シュタイナー教室、1年生レッスン。
「王子は力を込めて岩を…」
物語を語ると、じっと耳を傾ける子供たち。

でも、岩ってどう描く?
シュタイナー教育はちょっぴり違う。
周りの線から描くのではなく、
目の前で岩が生まれるように描く。

小さな石をキュッと描き、
石と石が集まってやがて大きな岩へ。
まるで、自分が岩をつくってるみたい。

人間を描くときもそう。
輪郭線から描くのではなく、
胸や頭といったところを丸く形取り、
広がって人間の体になる。

だって、人間は輪郭から生まれてきたんじゃないから。
受精卵が分かれていき大きくなって、
人間の姿になる。
だから絵にするときも、命の流れに沿った描き方をする。
それもシュタイナー教育の特徴の一つだったりします。

岩が生まれてくるように、岩を描く。
「えーい!」と岩を押し込む。
クレヨンで描いた絵に重さはない。
指でつまめるぐらいで、
きっと台所の昆布のほうがまだ重い。

だけど、心はその重さを感じている。
どっしりと心の中に岩がある。
自分の手で岩にしたからこそ、
その重さはとてつもない。

「えーい!」
道をふさいでるこの岩を、動かせるだろうか。
この困難をのりこえられるだろうか。

まだ何も言っていない。
なのに子供たちはもう、
自分で自分を勇気づけている。