1年生クラスのレッスン。
この絵を見て、
大人は、「あー」とうなずく。
子供たちは目を見開いてこう言います。
「あ!」
冗談のようだけど、
これってすごいこと。
だって、母音なんです。
あ い う え お
まるで蓋を開けて仕込んでおいたように、
感情がこもってる。
指でつまんで口に入れてもおやつにならない黒っぽい文字なのに、
どうしてなんだろう。
こんなにも体と心に近い。
日本語には必ずくっついてる母音。
子供たちの意識が内に向かう冬だからこそ、
感情がたっぷりこもった母音を学ぶ。
まずはお話(物語)をじっくり聞いて、
そこから絵を描き、
文字を導き出す。
たったそれだけで、
子供の背中に羽が生える。
子供は想像力の翼を使って文字を見つけ出す。
具体的には、王子が旅に出るお話を聞きます。
旅の途中でいろいろな難問にぶつかる王子。
例えば今回の絵は…
はじめての外出でドキドキしている王子。
高い山の上でゴロンと横になったけれどなかなか眠れない。
そこで、お城から持ってきた毛布にくるまって安心。
そんな気持ちを込めて絵にしていきます。
曇りガラスに指で描くように、
艶やかな心を使って「あ」を学ぼう。
「あ」はおやつにはならないってわかってるけど、
感情という甘いシロップに浸けてみたくなる。