素話だからこそ、心が動く

シュタイナー教育で大切にしている「お話」ってなんだろう?
グリム童話やイソップ寓話など、毎回違うお話を語りますが、絵本などを読み聞かせするのではなく、もちろん動画なども見せません。
おばあちゃんが囲炉裏でしたように、覚えたものを素話で語ります。

素話で語る理由は、子どもたちの想像力を育てたいから。
こちらから絵などを見せないからこそ、子どもたちが自分の中に自分だけの絵を作り出せる。

では実際、素話だとどんなことが起こるのか?
例えば、昨日の1年生レッスンでこんなことがありました。

『川』という文字を学ぶために、日本の昔話の『大工と鬼六』を聞いてもらいました。

大工と鬼六のお話は…
荒れた川に橋をかけることができず困っている大工さん、そこに鬼が現れ「お前の目玉をくれたら橋をかけてやろう」と持ちかける…
鬼が一晩で橋をかけてしまい、困り果てた大工さんが逃げ込んだ山の中で鬼の子どもたちが不思議な歌を歌っているのを聞きます。
「大きな鬼の鬼六さん〜♪」という不思議な歌。

そして川に戻ってきた大工さんに、鬼が「俺の名前を当てたら目玉を取らないでおこう」と大工さんを試す。
『大工と鬼六』のクライマックスです😆

そこで、大工さんが大きな声で…と語ると、

子どもたち口を揃えて、
「鬼六、鬼六、鬼六だ!!!」
とニコニコ😄

絵などを見せない素話だからこそ、想像力が働く。
物語の中に入り込んで、心が自由になる。

たとえ立派なおもちゃや素晴らしい絵画がなくても、自分が持っている力で心から楽しめる。
そんな体験を小さい時にしておくのは、一生の宝物になるかもしれません🌈

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