山はしっている

オススメの絵本を紹介します。
『山はしっている』
リビー・ウォルデン作
リチャード・ジョーンズ絵
すずき出版

動物のことを子どもが学ぶ時、どんなことがあると良いか。
例えば、何を食べているか?
体の大きさは?
どんなふうに子どもを育てるか?
などなど、どれも大事😄

シュタイナー教育で特に大事にしているのはこんなことだったりします。
「どんな環境に生きているか」

動物は、必ずその動物に合った環境の中で暮らしています。
むしろ、環境に合わせて体を特化させたものが動物だともいえます。
寒い気候の土地では、動物たちは分厚い脂肪を蓄えたり、暖かな毛皮をつくります。
他の動物の肉を食べるために牙や爪が発達したり、草を食べやすくするために歯が平たくなったり胃袋が4つになったり。

見渡すかぎりの広い草原にいるからこそ馬は軽やかに走れるようになり、ビーバーは川と木があるからこそダムを作ることができます。
動物はその環境だからこそ、その動物として存在できるのです。
まるで、ある特定の自然環境そのものが一つの意志を持って作ったかのように動物たちはポコンと地上に現れ生きています。

けれど、人間は違います。
人間はどの環境にも完全には溶け込めず、体も動物のように何かに特化されてはいません。
分厚い毛皮もなければ、牙や爪もなく、胃袋だって1つです。
馬のように速く走ることはできませんし、そもそも服などの道具がなければ過酷な自然の中では生き延びることすらできません。

人間は動物とは違い、体が特化されていないからこそ、未熟だからこそ知恵を使い様々な道具を用いて、ありとあらゆる環境で暮らすことができるようになりました。
不完全だからこそ、人間は人間として存在できるのです。

この本は素敵な絵と詩情あふれる短い文章で、動物たちの暮らす環境が心を通して伝わってきます。

小さい子から大きい子まで、大人も一緒に楽しんでみてくださいね😄

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