雨が降ると、思い出す言葉があります。
「教師は時として教室で雨に降られることがある。傘はなく、もちろん逃げることもできない」
子どもたちへの難しい対応を迫られる。そんな先生の心の状態を表現した言葉です。
僕も公立学校の先生をしていた時に、「教室で雨降り」の経験があります。
でも、そんな時いったいどうしたら良いでしょう。
シュタイナー教育を作ったルドルフ・シュタイナーはこんなふうに言っています。
「一人ひとりの子どもを理解し、愛すること」
実際、シュタイナー学校の先生たちは本当に子どもをよく観察しています。
そして、子どもたちを愛しています。
例えば、気になる子どもについて話し合う先生たちの会議でも「あの子のこういうところが悪い」とか「ここをよくしたい」などと、簡単には子どものことをジャッジしません。
むしろ、その子どもがどんなことをしているのか、どんなことをよく言うのか。その子どもの体の特徴や、性格や、話し方や、友達との接し方。
などなど、その子どもにまつわることをたくさんたくさん共有します。
そんなふうに先生たち全員でその子どもの事について深く理解を重ねると、不思議なことにその子どもの問題行動がなくなったりします。
教室の中で「雨に振られる」事は避けることができませんが、雨について罵るよりほかに私たちにはできることがありそうです。
親もまた、子育ての中で雨に降られることがあります。どうしたら良いか分からなくなることがあります。
そんな時こそ、目の前の子どもをしっかり見て、ありのままを受け入れてみる。
親も先生も、子どもという存在に関わる誇らしい仕事です。