シュタイナー教育では、足し算や引き算はどうやって学ぶのでしょうか。
「これが足し算です、覚えましょう」
といったふうにはやりません。
もうすでにあるものとして与えられるのではなく、子どもの中から自然と足し算や引き算がむくむくと盛り上がるようにして学びます。
では、どうやって?
計算よりも大事なことを最初に学びます。
つまりは、足し算や引き算が持っている質を学ぶのです。
「足し算って何?」「引き算ってどんなもの?」こういった難問(!)に取り組みます。
もちろん、子どもにとって一番フィットする形で学びます。
具体的には、4人の小人などが登場するお話を聞いてもらいます。
小人たちはみんな性格がバラバラ、でも仲良し。
そう、4人の小人の性格がそのまま足し算、引き算、掛け算、割り算の質になっています。
子どもたちがお話を心の中で想像し、小人たちに感情を寄せるうちに自然と足し算や引き算が持っている質を味わうことになります。
そして、それを絵にします。
その絵の中に隠されている、足し算や引き算の質をじんわり味わいながら。
これをすることで、足し算や引き算といった計算法ですら、親しみを覚える存在になれる。
自分と関係があるものとして捉えることができる。
シュタイナー学校の1年生の算数。
こんなに楽しくて面白い算数があるんだなと、ちょっと羨ましくなりますよね。
実際、子どもたちは「あーだこーだ」といろいろなことを言いながらこの算数に取り組んでくれています。
子どもたちにとって、足し算や引き算が友達みたいに思えるといいなぁ。