泣き止まない、怒りがおさまらない、言葉が荒れてしまう。
そんな子どもの姿を前にすると、「何かしなきゃ」と焦ってしまう親は少なくありません。
けれど実は、感情が荒れているときほど、何もしないことが最大のケアになる場合があります。
この記事では、シュタイナー教育の視点から「何もしないケア」の意味と、その実践のポイントをお伝えします。
「何かしなきゃ」と思ってしまうのは自然なこと
子どもが感情的に荒れている姿を見ると、大人は本能的に状況を収めようとします。
声をかける、理由を聞く、諭す、気持ちを切り替えさせる。
それはすべて、子どもを思うがゆえの行動です。
しかし、感情が高ぶっている最中の子どもは、
言葉を理解したり、説明を受け取ったりできる状態ではありません。
感情が荒れているとき、子どもの内側で起きていること
強い感情に包まれているとき、子どもの心と体は「防御モード」に入っています。
この状態では、外からの言葉や指示は刺激になりやすく、
かえって感情を長引かせてしまうこともあります。
感情は、抑え込まれることで静まるのではなく、
出しきることで自然におさまっていくものです。
シュタイナー教育が大切にする「場を整える」というケア
シュタイナー教育では、感情が荒れている子どもに対して、
直接働きかけるよりも「環境」を整えることを重視します。
- 大人が落ち着いた呼吸でそばにいること
- 騒がしくない空気を保つこと
これらは一見「何もしていない」ように見えますが、
子どもの心を外側から包み込み、安心へと導く大切なケアです。
「何もしない」ことは、放置ではありません
ここでいう「何もしない」は、突き放すことではありません。
一人にすることでも、無関心でいることでもありません。
そばにいる。
安全な場を保つ。
感情が過ぎ去るのを信じて待つ。
それは、子どもを深く信頼しているからこそできる関わり方です。
回復は、静かなところから始まる
感情が荒れたあと、子どもがふっと落ち着く瞬間があります。
そのとき初めて、言葉や関わりが届く準備が整います。
「何もしなかった時間」は、
何も起きていなかったわけではありません。
子どもの内側では、ちゃんと回復が進んでいます。
まとめ 何かしなきゃ、から離れていい
感情が荒れている子どもに対して、
必ずしも言葉や行動で関わる必要はありません。
何もしないで待つこと。
安心できる場を保つこと。
それ自体が、深いケアになります。
「何かしなきゃ」と思ったときこそ、
一度立ち止まり、そばにいるだけの時間を思い出してみてください。
