「読書しなさい」は必要? シュタイナー教育が教える「本との自然な出会い方」

森の中の読書のキノコ本棚

「子どもに本を読ませたいけれど、どうやって勧めていったらいいの?」
そんな疑問に、シュタイナー教育のアプローチから答えてみます。

読書は“しなければならないこと”ではなく、“自然に出会うもの”。
子どもの想像力を育む「語り」の大切さや、読書との豊かな関係性の育み方についてご紹介します。

「読むこと」より「聴くこと」からはじまる

シュタイナー教育では、子どもが低学年のうちは「読む」ことより「聴く」ことが大切にされます。
教師が物語を“素話(すばなし)”で語り、子どもたちはその語りに全身を傾け、想像の世界に深く浸っていきます。
こうした体験は、言葉がただの情報として頭に入るのではなく、子どもの内なるイメージや感性と結びつくものとして残ります。

読書は「内側から湧き上がるもの」

シュタイナー教育の現場では、子どもに対して「読書しなさい」と積極的に勧めることはあまりありません。
むしろ、本との出会いは内側から自然に湧き上がる興味や関心によって育まれていくものと考えられています。
シュタイナー学校には図書室もありますが、それは“読むべき本”を押しつけるためではなく、
子どもが自ら手に取りたくなるような“本との出会いの場”として存在しています。

家庭でできる、読書の「種まき」

読書への興味づけとしては、無理に「読ませる」必要はありません。
たとえば、絵本の読み聞かせや、昔話を素話で語る時間を日常に取り入れてみましょう。
また、大人自身が本を楽しむ姿を子どもが自然と目にすることも、豊かな読書体験へのきっかけになります。
「読書は良いことだからしなさい」ではなく、「お話っていいね」と感じられる時間を丁寧に積み重ねていくことが大切です。

まとめ 子どもにとって本との出会いとは

子どもにとって読書は、押しつけられるものではなく、「自然と出会うもの」。
シュタイナー教育では、“読む前に聴くこと”を大切にしながら、子ども自身の内側から湧き上がる読書の芽を、そっと見守っています。
語りかけや読み聞かせなど、親子のふれあいの中で、本の世界への扉はゆっくりと開かれていきますよ。

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