子どもの願いなんてかわいいもの。
叶えてあげたい。
でも、スイッチ押したら叶っちゃう。
そういうのもやっぱり違う。
思い通りになることが普通で、
あたりまえと思って欲しくない。
あたりまえなんかないって、
子どもがここまで育ってくれたのを、
「わたし」はいちばん近くで見てきたから。
ありとあらゆるものが買えるような、
こんな世の中。
そこで何か一つでいい、
かけがえのないたった一つを見つけて欲しい。
そのためにも、
ときには親が壁になってあげる。
思い通りにならないようにしてあげる。
3回欲しがらなければ買ってあげないような、
春の日に降る雨みたいな優しさ。
思い通りにならないならやめる、
自由にできないならもういいとかではなくて。
思い通りにならないからこそ、
そこを乗り越えるから見える景色がある。
そんな壮大な景色の話。
何年後に聞けるだろうって、
想像しながら今ここで壁になってあげる。
シュタイナー教育でも、
簡単に叶わない方が意志の力が伸びると考えたりする。
でも、難しすぎても意志の力は育たない。
こんなの無理だって、
子どもがあきらめてしまうかもしれない。
ちょっと頑張ったらできる。
そんなハードルを作ってあげる。
ちょうど良い高さ、
子どもの意志を引き出せる高さ。
親だからこそわかるその高さで、
子どもを壮大な景色に近づけてあげる。