コンパスだけで描く幾何学図形。
高学年のシュタイナー教育。
高学年になると、
子どもはガラッと変わってくる。
もう、ファンタジーの住人じゃいられない。
天使や妖精は羽をたたみ、
子どもの言葉はスパイシーになっていく。
そんな子どもたち、
どんな学びを求めているんだろう。
法則性が気になっていく。
世界の隠された真理に興味を持つ。
ファンタジーじゃなくて、
現実のことが知りたくなる。
だからこそ、幾何学。
子どもの目の前で開かれていく不思議。
円や長さや比率に隠された法則が、
手でさわれる場所でくるくる回りだす。
もちろん、テストには出ない。
でも、そこにはメッセージがある。
あなたの欲求は素晴らしい。
わかるんだよ。
漢字の書き取りや文章題の解答じゃなくって、
あなたの在り方を見てるから。
それって、きっと祝福。
思春期をひかえた子どもに手渡す、
思いがけない花束。
あなたの感じていることは正しい。
あなたがしていることを見せて。
あなたの在り方そのもの、
それが愛おしい。
思春期に入っていく子どもは、
コンプレックスを持っている。
ずいぶん物事がわかるようになってるから、
自分はたいしたことないって、
それがよくわかる。
だからこそ、存在そのものを認めてあげる。
何かができるから素晴らしいとか、
褒めてもらえるとか。
そういうことでもない。
そこに立っている子ども。
その存在そのものを愛おしむ。
もちろん、いつもできるわけじゃない。
特に思春期の子どもにはそう。
でも、知っているとちょっと違う。
その時期の子どもって、
ありのままを認めて欲しいんだって。
知っているだけでも対応は変わる。
そのちょっとが、
子どもへの大きな愛情なのだと思います。