音程、リズム、言葉。
歌う時って、たくさんのことしてる。
でもそれって小さい子には難しい。
ただ音を楽しめばいい。
そう言ってみたところで「どうやって?」
子どもにはワカラナイ話。
「じゃ、まず音程だ」
「リズムはこうで…」
そんなふうにバラバラと教えても、
「もういい…」
「むずかしい〜」って。
再びワカラナイお化けが登場。
そんなときには、手遊び。
難しく考えなくていい。
両手をパンパン子どもと一緒に打ち鳴らす。
手遊びしながら歌を歌う。
するとリズムが整っていく。
足を鳴らすより、
手拍子するより、
大人にリードしてもらえるから安心。
なによりうれしい。
小さい子どもだったら、
向き合って歌うだけでずいぶんできるようになる。
子どもはマネしてる。
音程とかリズムとかそういうことだけでもない。
お母さんお父さんの口の動き。
細かな筋肉の動き。
うれしそうな表情や目の輝き。
子どもはたくさんマネしてる。
顔と顔を合わせて歌うだけで、
子どもはたくさんのことを学べる。
それって楽譜や動画ではできない。
人と人とのやり取りで、子どもは学んでいける。
音程もリズムも頭だけでやると、
子どもは嫌になる。
つらくなる。
体を使う。
心も一緒に動く。
体が楽器になっていく。
心がリズムそのものになっていく。
手と手で一緒に歌う。
「わたし」とこの子、
そのあいだで響く音楽の体験。