「いつから冬なの?」
「いつから春なの?」
子どもにそう聞かれたら、どうしよう。
カレンダーの数字を指さしてみたって、
それって本当?
雪とか桜とか…
あまりにもざっくりしてる。
送り迎えの帰りに、
買い物のついでに、
ほんのちょっと木の枝に目を凝らす。
冬鳥です。
スズメとかカラスとか。
鳥は一年中いるけれど、
冬の間しか見れない鳥たちがいる。
それが冬鳥。
マガモといった鴨たち、
ジョウビタキなどの小鳥。
鳥を見つけたら、
まずスズメじゃないかを確認。
スズメじゃなかったら、それはきっと冬鳥。
ジョウビタキはオレンジ色がきれい、
ちょこんとお辞儀をする仕草もかわいい。
マガモはきれいなブルーのマフラー巻いて、
まるまる太ってる。
冬鳥は今だけ見れる鳥。
もう少ししたら、
シベリアや寒い山のほうに帰ってしまう。
まるで、天使が届けてくれたプレゼントみたい。
この季節だけしか見ることができない、
自然の色彩。
子どもが中学年以上だったら、
その鳥の名前や春になったらどこに行くのかなど。
現実的に楽しく話してあげる。
それは、中学年以降の子の成長に合った栄養。
けれど、それより小さい子だったら。
きれいだねぇとか、
不思議だねぇとか、
また冬になったら戻ってきてくれるねって。
安心と調和に満ちた話をしてあげる。
それもやっぱり、小さい子にとって大切な栄養。
動物園に行っても、
映画館に出かけても、
体験することのできない季節の旅がそこにはある。
「ほら、あそこ…」
そんなふうに指さして、
子どもと季節の移り変わりを感じる。
そこから始まる会話があるのは、
そこに自然な子育ての形があるから。