心の枝にとまる小鳥たち

お片づけ、着替えに歯磨き…
もう何度目だろう。
ガミガミ言いたくなんてないのに、
どうしてこんなに進まない?

子どもが自分でできるようになるために。
例えば、
大きな木の絵を描いて壁に貼る。
太い枝と緑の葉っぱ。
それとは別に、
カラフルな小鳥たちの切り絵。

「お片づけできたら、
小鳥を一羽木にとまらせていいよ」
ほらって小鳥が羽ばたいて、
手のひらで受けとめた子どもは、
壁の木にペタっとテープで小鳥をとまらせる。

そしたら子どもって、
もっとたくさんの小鳥をとまらせたいって。
じゃあ、つぎはなにをしてみようかって。
口にする言葉が、
耳にする言葉が、
まるで違ってくる。

何羽もの小鳥を羽ばたかせ、
その小さな手で温めさせてあげよう。

そして、だんだんと子どもが自分一人でできるようにしていく。
親が小鳥を一緒に描いてあげてたのを、
自分で描かせてあげる。

壁一面に描いていた絵を、
柱みたいなところにお引越し。
ちょっと狭いけれど、
そこでも楽しく絵をペタペタ。

やがて、子どもの手の爪に小さな絵を貼る。
10本の指いっぱいになるように。
今日はいくつお手伝いができたのかなあって。

そんなふうにして、
少しずつ子どもが自分でできる部分を増やしていく。
もう親はなにも言わなくたって、
自分でいろんなことができるように。

ふんわりした風船。
流れ星。
星座にキノコ。
季節に合わせて、壁の絵もクルクル。

必要になったら、
なんどでも支えてあげる。
紙風船にふうっと息を吹き込むように、
子どもの心の隅々に今できることを注ぎ込む。

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