こんなにも美しいところで

昼の時間が短い。
この時だからこそ、
思い出す言葉があります。

吉野 弘さんの詩
「虹の足」

『旅先のバスから、
小さな村を目にする。
村は虹の足(アーチ)の根元に。

「おーい、君たちは虹の中にいるぞぉ」
何度叫んでも、
村人は気づかない。

こんなにも素晴らしい、
光の中で暮らしているのに』

一年でいちばん夜が長いこの時期。
子どもたちに「おーい」って、
教えてもらうような気がします。

「おーい、僕たちみんな虹の中にいるよ。
こんなにも美しいんだ」

あどけなさを思うより。
これから長くなっていく光の時間を前に、
こんなふうに考えてみたい。

今日、空を見上げたかな?
雲はどんな形をしていて、
風はどんな香りをさせていただろう。

世界は素晴らしく、
思いがけなく美しい。

子どもと一緒にいることで、
子どもと歩幅を合わせることで、
ようやく気づけるのかも。

こんなにも美しいところで、
私たち暮らしているんだ。

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