夏の終わりが少しずつ見えてきて、
心が秋に向かってく。
空き地の草や、
窓から吹き込む風。
スーパーの果物売り場にだって。
交わす言葉の中に、
秋が透けて見えてくる。
こんな時期こそ、
子どもの感性を育てるチャンス。
目に見える秋のはじまり。
目には見えない秋の気配。
見えるものだけがすべてじゃないんだって。
見えないものでもあるんだよって。
言葉で言ってもわかんない。
だからこそ、
「ほら」って。
季節の移り変わりを指さしてあげよう。
目には見えないその指先で。
例えば、
秋の虫が夜どこかで鳴き始めている。
窓を開けたときの風の匂い。
だんだん長くなっていく影。
この時期、
世界は目に見えないもので賑やかになる。
その賑やかさに耳を開いていこう。
「わたし」もこの子も、
世界をもっと好きになれるように。