「そろそろ負けてあげようかな…」
子どもと遊んでると、親心が湧いてくる。
ほら、あと一回押してごらん。
コロンって負けてあげるよって。
でも子どもって、勝ちたいだけじゃない。
大人に負けたいもある。
ぼくなんかに負けてほしくないんだという気持ち。
お父さんお母さんて、すごいんだよっていう憧れ。
子どもが小さければ小さいほど、
お母さんお父さんは世界そのもの。
子どもは世界にどっしりしててほしい。
目に見えない大きな力で守っていてほしい。
お母さんお父さんの強さが、
ぼくの強さなんだ。
子どもと遊ぶとき、
時々こっそり勝ってあげる。
ああ強くなったなぁっていいながら、
大人の力で負かしてあげる。
あなたを守れるその強さで愛してあげる。
子どもが高学年になったら、
今度は思考力で憧れさせてあげよう。
お父さんお母さんのその考え、
長い時間を生きてきた知恵。
子どもがまだ手に入れていない大人の力。
そんな思考力で憧れさせてあげる。
いつか遠い未来。
子どもはここから巣立っていく。
その時、希望に胸を高鳴らせていてほしい。
私たちのことは、気にしなくていいからって。
子どもの前で見せるその強さ。
大人であることの強さが、
子どもの未来に対する希望なのだと思います。