三輪車や自転車。
いつから練習させようか。
周りの子はもう乗れるみたい…。
乗り物に乗ると、
遠くまで行ける。
早く行ける。
行動範囲が広がる。
いいことばかりのようだけど、
子どもの成長にはどうなんだろう。
自転車とか、乗れたほうがいいのかな。
急がなくても大丈夫。
歩く速さだから発見できるものってある。
小さなお花。
きれいな泉。
ほら。空を見上げてみたら、
天使が歌っているかも。
速ければ速いほど、見落とすものがある。
自転車に乗れるようになると、
その速さの中で、
子どもが生きるようになる。
それに自転車って速いから、
たくさん運動してるように見える。
でも、動かしているところは体の一部分だけだったりする。
体ぜんぶを使えるようにすること。
小さなうちにしっかり自分の体を感じること。
それは大切な子育て。
子どもに手渡せる大事な力。
歩いて行こう。
子どもが自然に持ってるその力。
歩くから、見つかるものがある。
話せる言葉がある。
思い出がある。
子どもが隣を歩くから、
「わたし」もほんのちょっと子どもに戻る。
手をつないで、この道の中で思い出を作ろう。
いつか手をつなげなくなった時、
一緒に思い出せるように。