遠回りするから、またこどもに会いたくなる

晴れあがった日は、
ほんのちょっと遠回りする。
星座を見上げるために。

星座なんて。
そう思っても、
目はもう冬の大三角を探してる。
子育てに明け暮れて自分のことは後回し。
そんな心がはしゃぎだす。

空に三角を見つけたら、
1つ…2つ…3つ…
不思議なぐらいに指が星座を覚えてる。
私の中の子どもが「ほら、あそこ」って指さしてくれる。

星の巡りは、
かわらないもの。
何千年も前から、
私たちを導いてきた。

星座だってそう、
ずっと昔から変わらない。
子どもが見つけるのと私が見つけたのと、
ぴったり同じ星の形。

なのに、それを探しだす気持ちは違う。
私の子供の頃と、
私の子供が見つける星座。
ぴったり同じなのに、
感じているものは違ったりする。
星座を見上げると、
そんな当たり前のことに気づく。

子どもと私。
違う時間を生きていく人が、
今この瞬間おなじ星を見上げてる。

白い息を吐き出しながら、少しだけ。
遠回りして帰る。
心も一緒に遠回りできるから、
また子どもに会いたくなる。

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