もうちょっと頑張って欲しい。
まだできるはず。
そんなふうに思っても、
なんとなく声がかけられない。
だって、親は知ってるから。
もう何度も声をかけてるから。
がんばれ、負けるな、できるって。
でもダメなんだよって、
親はその気持ちも知ってる。
そうだよな、そんな簡単じゃないよな。
胸の奥がシュンとして、言葉を飲み込む。
子どもの背中を押す時、
スモールステップで考える。
あまりにも高すぎるハードルだと、
ものすごく頑張らないといけない。
達成できたとしても、
子どもは「大変だったぁ」って。
そのあとが続かない。
だからこそ、
ちょっと頑張ったらできるのをさせる。
「ほら、やってごらん」て背中を押せる。
親はわかってるから。
これはちょっと頑張ったらできるぞって。
その時、親は子どものことを信じられている。
これが期待だと、子どもはつらくなる。
期待に応えられなかったらどうしようって。
この子はできる。
親が信じられていると、
それは子どもの力になる。
信じてもらえるのってうれしい。
それは、存在そのものへの愛情だから。
大きな目標をいきなり達成するんじゃなくって、
ちょっと頑張ったらできること。
親も子どもも、いきなりは良くなれない。
1日では到達できない。
でも、ゆっくりだったらたどり着ける。
一歩一歩進むから本当に強くなれる。
ささやかな積み重ね。
それが子どもを育て、親をつくる。