「タブレット学習が当たり前」と思っていませんか? フィンランドでは、10年以上前からデジタル教育を推進してきましたが、最近になって「学力低下」の問題が浮上し、タブレット学習の見直しが始まっています。
日本ではGIGAスクール構想のもと、1人1台の端末が整備されていますが、本当にこのままでいいのでしょうか?
今回は、フィンランドの事例をもとに、デジタル教育の影響と家庭でできるバランスのとり方について考えていきます。
フィンランドで起きたタブレット学習の見直し
フィンランドのデジタル教育の取り組み
フィンランドでは、10年以上前から小学校でタブレットやパソコンを無償配布し、デジタル学習を推進してきました。教育のICT化が進んでいる国として、日本でも注目されていました。
しかし、ここ数年、子どもたちの学力低下が問題視されるようになったのです。
タブレット学習による影響
フィンランドの教育関係者は、学力低下の原因として以下の点を挙げています。
- 数学的思考力や理科的思考力の低下
- 授業中にSNSや別のサイトを見てしまい、集中力が続かない
- 紙と鉛筆でノートを取る習慣が減り、記憶力が低下
このため、一部の学校ではタブレットを禁止し、紙のノートと鉛筆を使った授業に戻す動きが進んでいます。
スウェーデンでもデジタル教育を見直し
フィンランドだけでなく、スウェーデンでもデジタル教育の見直しが進んでいます。
2023年には、スウェーデン政府が「紙の教科書を復活させる方針」を発表。幼稚園でのタブレット使用を廃止し、手書きの練習や読書の時間を重視するようになりました。
背景には、2016年から2021年にかけて、スウェーデンの小学生の読解力が低下していることが指摘されている点があります。
日本のデジタル教育はどうなる?
GIGAスクール構想とは?
日本では、2020年からGIGAスクール構想が進められ、小中学生に1人1台の端末が配布されました。オンライン授業やデジタル教材の活用が増え、子どもたちの学習環境も大きく変わりました。
しかし、フィンランドやスウェーデンの例を見ても分かるように、デジタル教育だけに依存することにはリスクもあります。
家庭でできる「デジタルとアナログのバランス」
では、家庭でどのようにバランスを取ればよいのでしょうか?
① 手の感覚を使う遊びを増やす
- お絵かきや工作を取り入れる
- 砂場遊びや積み木など、指先を使う遊びを増やす
- 手書きで日記を書いたり、絵を描く習慣をつける
② 体の感覚を使う遊びを取り入れる
- 自然の中で遊ぶ(海水浴やキャンプなど)
- 外で体を動かす遊びを積極的に取り入れる
③ デジタルとアナログを使い分ける
- デジタル教材は「調べ学習」や「プログラミング学習」に活用
- 文字を書く学習や読書は、できるだけ紙の本やノートを使う
まとめ
フィンランドやスウェーデンでは、デジタル教育の影響を受け、学力低下が問題となり、紙のノートや教科書を使う学習へと戻る動きが出ています。
日本ではGIGAスクール構想が進んでいますが、デジタル教材とアナログの学びをバランスよく活用することが大切です。
おうちでも、手や体を使った遊びや学習を取り入れながら、子どもたちの成長をサポートしていきましょう!