子どもはなぜ同じ遊びを繰り返すの? 見守る大人が大切にしたいこと

繰り返しの遊びのイメージ画像

「今日も、また同じ遊びをしている」

毎日のように積み木を並べたり、同じ本を読んだり、似たような絵を何枚も描いたり。

子どもの遊ぶ姿を見ていると、

「ほかの遊びもしてみたらいいのに」
「もう十分できるようになったのでは?」

と思うことがあるかもしれません。

けれど、大人には同じことの繰り返しに見えても、子どもの中では少しずつ変化が起きています。

今回は、子どもが同じ遊びを繰り返す意味と、大人が見守るときに大切にしたいことを考えてみます。

繰り返しているようで、同じではありません

子どもは、同じ遊びをただ再現しているわけではありません。

昨日よりも積み木を高く積んでみる。
いつもとは違う人形を仲間に加える。
作った道の先に、今日は家を建ててみる。

大人から見るとよく似た遊びでも、子どもはその中に小さな変化を加えています。

手の動かし方を確かめたり、前にうまくいかなかったことを試したり、新しい物語を生み出したりしているのです。

昨日できなかったことが今日はできる。
思ったとおりにならなければ、もう一度試してみる。

子どもは繰り返しながら、自分の力で遊びを深めていきます。

繰り返しの中で、自分のものにしていく

初めて取り組むことは、大人にとっても緊張するものです。

一度経験したことをもう一度試すとき、私たちは前回よりも少し落ち着いて取り組めます。それは子どもも同じです。

繰り返すことで、子どもは手や身体の使い方を確かめていきます。

例えば積み木遊びでは、

  • どこに置けば崩れにくいのか
  • どれくらいの力で持てばよいのか
  • どうすれば高く積めるのか
  • 崩れたときに、どこからやり直せばよいのか

といったことを、自分の手を通して学んでいます。

大人から答えを教えてもらうのではなく、繰り返し試す中で、自分なりの感覚をつかんでいくのです。

「知っている遊び」が安心を与えてくれる

繰り返しには、子どもの心を安心させる面もあります。

同じ絵本を何度も読んでほしがったり、人形をいつも同じ順番に並べたり、同じ物語を繰り返したりすることがあります。

結末を知っている物語。
使い慣れたおもちゃ。
いつもの場所から始まる遊び。

次に起こることを予想できると、子どもは安心してその世界に入っていけます。

そして、安心できる土台があるからこそ、そこへ新しい登場人物を加えたり、違う展開を考えたりする余裕も生まれるのでしょう。

繰り返しは、変化がないことではありません。

なじみのある場所へ何度も戻りながら、そのたびに少しずつ新しいものを見つけているのです。

大人は小さな違いを眺めてみる

子どもが同じ遊びを繰り返しているとき、大人はすぐに新しい遊びを提案したくなることがあります。

しかし、まずは少し立ち止まり、昨日との違いを眺めてみましょう。

「今日は積み木が一つ増えている」
「昨日はいなかった人形が加わっている」
「同じお話だけれど、言葉が少し変わっている」

よく見てみると、そこには子どもなりの試みや発見が隠れているかもしれません。

遊びをより面白くしてあげようと、大人がアイデアを出しすぎなくても大丈夫です。

子どもが助けを求めていないときは、少し離れたところから静かに見守ることも、大切な関わりの一つです。

すぐに答えを教えず、少し待ってみる

積み木が崩れたり、思うようにできなかったりすると、つい大人は手伝いたくなります。

そのようなときは、すぐに答えを教える前に、子どもの様子を少しだけ見てみます。

もう一度自分で試そうとしているのか。
困って大人を見ているのか。
遊び方を変えようとしているのか。

子ども自身が試している最中なら、急いで手を出さないことも大切です。

助けを求められたときには、すべてを大人が完成させるのではなく、

「ここを押さえていようか」
「どの積み木を使ってみる?」

など、子どもが再び自分で進められる程度に手を添えてみます。

遊びを終えるときは、少し前に伝える

子どもの遊びを大切にしたいと思っても、暮らしには食事や入浴、眠る時間があります。

遊びを終えなければならないときは、突然中断させるのではなく、少し前に知らせてみましょう。

例えば、

「あと一回したら、おしまいにしようね」
「この道ができたら、今日は終わりにしよう」
「続きは明日できるように、ここへ置いておこう」

と伝えます。

終わりが近いことが分かると、子どもは遊びの世界から次の時間へ、少しずつ気持ちを移しやすくなります。

作りかけのものを安全に残せる場合は、そのまま置いておくのも一つの方法です。

「明日も続きをしてよい」と分かることで、安心して遊びを終えられることがあります。

繰り返すことは、立ち止まることではありません

同じ遊びを繰り返す子どもの姿は、一見すると変化がないように見えるかもしれません。

けれど、その内側では、

  • 手や身体の使い方を確かめる
  • うまくいかなかったことをやり直す
  • 新しい工夫を加える
  • 想像の世界を深める
  • なじみのある遊びの中で安心する

といったことが起こっています。

繰り返すことは、立ち止まっていることではありません。

同じ場所を何度も通りながら、そのたびに何かを確かめ、少しずつ自分のものにしていく時間です。

「また同じ遊びをしている」と感じたときには、すぐに別のことへ誘うのではなく、

「今日はどんな小さな違いがあるだろう」

と、そっと眺めてみませんか。

これまで気づかなかった、子どもの試みや成長に出会えるかもしれません。

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