うちの子、
挨拶ができない。
「ほら、こんにちは?」
言えば言うほど、
背中を押すほどに、
カチコチになる。
凍りついたハートに、
春を訪れさせたい。
挨拶をうながすには、
記憶をあたためます。
思い起こせば。
この子にだって、
どこかで挨拶できた過去がある。
その時の状況、
相手、
表情や言葉。
画用紙ひっぱり出して、
よいしょっと絵を描いて…
「この時、ねぇ」って、
褒めてあげる。
何度も繰り返して。
なんでもない時でも、
ひょいっと絵を見せて。
まだできてない、
できるかわからない、
未来の挨拶よりも。
この胸の中で輝く、
ぼくの挨拶。
思い出すから、
自信が湧いてくる。
また挨拶したくなる。