子どもを健康にする教育

こんにちは。
木村賢司です。
今日はシュタイナー教育の秘密をひとつ紹介させてください。

「え、もう終わり?」

1年生の男の子はそう言って、ぽかんと口を開けていました。
授業が終わった時の出来事です。
あっというまに授業が終わってしまったので、拍子抜けしてしまったようでした。

もちろん、授業時間は短くはありません。
たっぷりと90分間です。
学校での普段の授業が45分なので、ちょうど倍です。
休み時間もなくぶっ通しで普段の倍量の授業を受けているのに、どうしてあっというまだったのでしょうか。

ここにシュタイナー教育の特徴の一つがあります。
子どもが疲れずに最後まで生き生きと授業が受けられるように工夫がしてあるのです。
その工夫が、授業を構成する3つの時間です。

1 リズムの時間
2 書く時間
3 お話の時間

シュタイナー教育ではこの3つの時間で授業が作られることが多いです。

リズムの時間は文字通りリズムカルに体を動かす時間。輪になって歌に合わせて動いたり、みんなと色々な遊びをしたり、体を使うことでしか養えないことをします。
学年によって時間は違いますが、だいたい30分くらいでしょうか。

書く時間は、文字や絵をノートなどに書くための時間。
「授業」といわれてパッと思い浮かぶイメージにいちばん近いかもしれません。
時間にしてだいたい30分から50分くらいです。授業のメインの部分になります。

お話の時間は、昔話や童話などを聞く時間です。
授業の最後にろうそくの火を囲んでの、子どもたちが楽しみにしている時間でもあります。だいたい10分から15分くらいです。

こうして授業を3つの時間に分けるとなぜ良いのか。
それは、まるで呼吸するかのように楽に授業を受けられるからです。

例えばリズムの時間。
子どもたちは色々なところから教室にやってきます。ざわっとしていることもしばしば。
そこで、まず息を吐き出します。
体を使って動くことで、自分の中にあるものを外に出します。

吐いたら吸いましょう。書く時間です。
先生が語る物語を聞いて心の中に絵を想像します。つまりは自分の中に新しいものを取り込んでいきます。
そして、今度は聞いたお話から絵や言葉をノートに書いていきます。
ここでは息を吐き出すように、自分の中に取り込んだものを外に出しています。

最後にお話の時間。再び吸います。
物語をたっぷり心の中に取り込んで、おうちに持って帰ってもらいます。
そのお話はごっこ遊びになったり、知恵のある行動になったり、あるいは大好きなお絵かきの題材になったり…。
目には見えないお土産を持って(吸い込んで)、帰ってもらうイメージでしょうか。

こうして息を吐いたり吸ったりしながら授業は進んでいきます。
だから子どもたちは楽に授業を受けることができ、最後まで生き生きと学べます。(酸欠や過呼吸になったりはしませんよ)

「え、もう終わり?」という男の子の言葉は、うまく呼吸ができていたということだと思います。
生き生きと夢中にやっていたら、いつのまにか終わっていた。
頑張った覚えも嫌々やらされてる感もなく学べるって、良いですよね。
しかも、内容は算数や国語だったりしますからね…。

シュタイナー教育の授業は「子どもを健康にする授業」と言われることがあります。
子どもの呼吸が整い、体も心も頭も偏りなく使って学ぶからです。
「授業を通して子どもを健康にする」と、教員養成でもはっきりと教わりました。「それがシュタイナー教育なんだよ」と。

この教室に来てくれる子どもたちが健康になれるよう、今日も張り切って授業をしていきますね。