京都シュタイナー教室が目指すこと

学校に通い、家庭で生活し、世の中を見つめて育つ子どもたち。勉強ができること、この社会で勝ち抜くこと、そのための知識と能力。ともすれば、現代の子どもたちはそんな「あたま」ばかりを要求されているのかもしれません。

もちろん、「あたま」も大切。けれど、一人の人間としてのしっかりとした意志や豊かな感情が育っていなければ、せっかくの「あたま」を人生に役立てることは難しいかもしれません。人は機械ではなく、心を持った存在だからです。

この教室では、芸術に満たされた授業を通して意志や感情といった内面の力を育てます。それは、子どもの「こころ」の成長につながります。「こころ」がしっかりと育つことで、物事を考えたり判断する「あたま」をより自分らしく使うことができます。

「あたま」の力とは違い、「こころ」の成長は数字には表れにくいものです。公立学校の多忙な時間の中では見逃されてしまいやすいものかもしれません。けれど、AIやロボットが多くの仕事をこなすこれからの時代を生きていく中で、一人ひとりの「こころ」の成長がより問われるようになっています。

公立学校には得意なことと不得意なことがあります。そのうちの不得意なことにこの教室では積極的に取り組みます。地域の学校を問題視するのではなく、むしろ手を取り合うことで子どもの成長を支えたい。それが京都シュタイナー教室の目指すことです。

志は大きいですが、来てくれる子どもたちがほっとできるあたたかい場であることを大切にしたいです。
「学ぶって楽しい」
そう感じてもらえたり、
「自分を受け入れてもらえるのがうれしい」
そんなふうに思ってもらえる場を作りたいです。

授業内容

この教室では国語・算数・理科・社会といった主要教科を取り上げ、公立学校の学習内容ともすり合わせながら授業を作ります。そして、シュタイナー教育ならではの視点で子どもの力を育てていきます。

例えば、算数では数の質を学びます。
数の質とは、「1・2・3…」といった数字が持っている個性のようなものです。
シュタイナー学校ではこんなふうに教えます。

「1」は世界にたったひとつのもの。すべてが生まれてくる原点。
→ お日様 地球 私という存在 などなど

「2」は対になっているもの。2つあることでバランスを保っているもの。
→ 昼と夜 人間の手足 などなど

こんなふうに数字が持っている個性をイメージして、それを絵にすることで数字に対する感情を豊かにします。数字と友だちになるような感覚でしょうか。

この学びは、その後の計算や九九をする時にも良い効果がでてきます。イメージを通して数字と親しんでいるので、友だちと遊ぶような感覚で計算にも取り組めると思います。

公立学校では習わない「数の質」ですが、これをやっておくことは子どもにとって大きな財産になるかもしれません。数字と友だちになれる年齢は小さい時だけですし、「あたま」だけではなく「こころ」を伴った体験は大きくなってからもその人の中で形を変えて生きつづけます。

他の教科でも、「あたま」だけではなく「からだ」や「こころ」で体験できるようにカリキュラムが作られています。「からだ」や「こころ」を通して得たものはしっかりと自分のものになります。数字だけではなく、文字や動物や歴史が自分にとってどういうものであるのか。その子と一緒に成長していくような学びを作れたらと思います。

いつもの学校だけが学校じゃない。競争や点数や勝ち負けじゃない勉強もある。そう感じてもらえたらうれしいです。

シュタイナー教育とは

オーストリアの哲学者、ルドルフ・シュタイナー(1861〜1925)によって作られた教育です。100年の実績があり、世界60カ国以上1000校ほどのシュタイナー学校や1500園以上のシュタイナー園で実践されています。日本には、小・中・高12年間の一貫教育が受けられるシュタイナー学校が4校あります。子どもの「からだ」「こころ」「あたま」の成長に合わせたカリキュラムは、芯の通った自立した人を育てます。

教師プロフィール

木村賢司 【京都シュタイナー教室代表】

大阪教育大学を卒業後、大阪市立の小中学校で先生をしていました。植物と物語が好きな一児の父。現在、京都市左京区で奥さんと娘(3歳)との三人暮らしです。シュタイナー教育教員養成課程を修了。